http://www.yamadarn.com/ コラム「学校でのICT活用について考える」

学校でのICT活用や,GIGAスクール構想についての覚書(おぼえがき)です。 勤務校で書いた自己研修通信から再構成しました。 内容の一部は,インスタグラムにも投稿しています。

「よくないこと」に使えば指導の対象となる

今回も「文房具」としてのGIGAタブレットを、対比させながら考えていきます。

原版(紙版):2024年12月01日(日)発行

Web版:2024年12月30日(日)作成

「よいこと」にも「よくないこと」にも使える文房具

鉛筆は「よいこと」にも「よくないこと」にも使えます

鉛筆は「文房具」ですから、「よいこと」にも「よくないこと」にも、どちらにも使えます。 学習や創造的な遊びにも使えますし、いじめや学習をサボって遊ぶことにも使えます。 鉛筆自体に「よい」も「よくない」もなく、大切なのは児童の道徳心や向上心になります。

GIGAタブレットは「よいこと」にも「よくないこと」にも使えます

GIGAタブレットは「文房具」ですから、「よいこと」にも「よくないこと」にも、どちらにも使えます。 学習や創造的な遊びにも使えますし、いじめや学習をサボって遊ぶことにも使えます。 GIGAタブレット自体に「よい」も「よくない」もなく、大切なのは児童の道徳心や向上心になります。

「よくないこと」に使えば、指導の対象となります

鉛筆を「よくないこと」に使えば、指導の対象となります

もしも鉛筆を「よくないこと」に使えば、それは指導の対象となります。 例えば「悪口を紙に書いて友達と共有する」「授業中に教科書やノートに落書きをする」などです。 発見した教師は、叱るなり、善悪を考えさせるなり、正しい使い方を話して約束させるなりすることでしょう。

この場合「鉛筆が悪い(諸悪の根源)」と考えて、「鉛筆禁止」にする教師はいません。 もちろん「鉛筆を机に置きなさい(今は話を聞く時間です)」などと「一時的に中止させる指導」はあるでしょう。 あるいは「ノートなど書いたものを数日間預かって精査する」などの対応もあるでしょう。

GIGAタブレットを「よくないこと」に使えば、指導の対象になります

もしもタブレットを「よくないこと」に使えば、それは指導の対象となります。 例えば「人の悪口を書いて友達と共有する」「授業中にネットサーフィンやスクラッチで遊ぶ」などです。 発見した教師は、叱るなり、善悪を考えさせるなり、正しい使い方を話して約束させるなりすることでしょう。

この場合「タブレットが悪い(諸悪の根源)」と考えて、「タブレット禁止」にする教師はいません。 もちろん「パタンしなさい(今は話を聞く時間です)」などと「一時的に中止させる指導」はあるでしょう。 あるいは「タブレットを預かって、書き込みや閲覧履歴を数日間精査する」などの対応もあるでしょう。

「よいこと」も「よくないこと」も、かけ算する「文房具」

鉛筆もGIGAタブレットも、児童の力を「かけ算」します。 学習や創造的な遊びなどの「よいこと」をかけ算して、成果を何倍にもします。 いじめやサボりなどの「よくないこと」をかけ算して、悪影響を何倍にもします。

もちろん鉛筆とGIGAタブレットでは、「倍率」が異なります。 鉛筆の「倍率」よりも、GIGAタブレットの「倍率」の方が、はるかに大きいです。 ですから児童の道徳心や向上心を育てることが、どちらの「文房具」を使う場合でも大切になります。

対比させるなら、シャープペンシルの方が適切かも?

GIGAタブレットは鉛筆ではなく、シャープペンシルなのかもしれません

同じ「文房具」でも、鉛筆ではなくシャープペンシルで考えた方がよいかもしれません。 鉛筆とGIGAタブレットを対比させるのではなく、シャープペンシルとGIGAタブレットを対比させて考えるのです。

シャープペンシル禁止の小学校

小学校では「シャープペンシル禁止」が一般的だと思います。 その理由は、「鉛筆に比べると薄い文字になりやすい(だから学力が身につかない)」「カチカチと音がうるさいので周囲の迷惑になる」「壊れやすいので、授業中やテスト中に壊れたら困る」「芯のある・なしが、鉛筆の削ってある・なしに比べてわかりづらい」などが挙げられるでしょうか。 もちろん教師ごとに1番の理由が異なるように思います。

GIGAタブレット反対の理由と、シャープペンシル禁止の理由

GIGAタブレットについて、学校現場で否定的な意見を見かけることがあります。 理由としては「鉛筆に比べると学力が身につかない(記憶が定着しない・考える力が育たない)」「クリックやタイピングの音がうるさいので周囲の迷惑になる」「壊れやすい(またはフリーズしやすい)ので、授業中やテスト中に壊れたら困る」「バッテリー残量のある・なしが、鉛筆の削ってある・なしに比べてわかりづらい」「目が悪くなる」などが挙げられるでしょうか。 山田の気のせいかもしれませんが、どことなく「シャープペンシル禁止」の理由に似ています。

「部分的にシャープペンシルを使わせたい」という少数意見もあります

少数派かもしれませんが「小学校でも部分的(限定的)にシャープペンシルを使わせたい」という意見を見かけることもあります。 例えば「中学校ではシャープペンシルなので、その練習で6年生は段階的に使わせてもよいのではないか?」「技術の進歩によって、今のシャープペンシルは昔ほどのデメリットがない」という意見です。 また「特別支援教育の合理的な配慮から、シャープペンシルの方がよい子もいる。 ただし芯は0.9~1.3mmの太いもの」というケースを目にしたこともあります。

GIGAタブレットについて、さまざまな意見を交流したいです

文科省が推すGIGAタブレットですが、学校現場にはさまざまな意見があると思います。 おそらくシャープペンシルの賛否よりも、大きく意見が分かれるのではないでしょうか。 ですから自己研修通信をキッカケに意見を交流していければいいなぁ…と考えています。 炉辺談話や、回覧用紙への書き込みをお願いします。